日本透析療法学会雑誌
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維持透析患者におけるserum amyloid P-component (SAP)
長谷川 みどり川村 直人勝又 秀樹村上 和隆山下 浩富田 亮柳井 利之小島 邦義鹿野 昌彦水野 雅夫川島 司郎
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キーワード: 透析, 吸着
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1992 年 25 巻 8 号 p. 897-900

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抄録
アミロイド構成蛋白の一つであるserum amyloin P-component (SAP) の臨床的意義, 特にacute phase protein (APP) として血液透析患者でどのように変動するか, また透析膜との関係についても検討した. 1. 血液透析患者 (n=70) のSAPは10.7±3.7mg/dlであり, 正常者 (n=69) 7.5±2.6mg/dlに比し有意に高値であった. 2. SAPとα1-AT, C4, CH50との間に有意の相関が認められた. 3. 血液透析前後のSAPを比較すると, Cu膜では, 14.4±5.2から13.2±5.9へ, CTA膜では14.1±8.6から13.2±7.7へ, PS膜では15.7±3.3から13.1±3.4へ, PAN膜では12.7±3.1から10.7±2.2へと各々血液透析後に低下した. 吸着実験より, Cu膜, PS膜, PAN膜へのSAPの吸着が示唆され, 透析後にSAPが低下した-因は吸着であると考えられた.
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© 社団法人 日本透析医学会
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