日本透析療法学会雑誌
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透析中異常高血圧に対する塩酸ニカルジピン注射薬の使用経験
大中 玄彦小野 孝彦一戸 辰夫陶山 勝郎上田 恵松尾 孝彦桑原 隆
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1992 年 25 巻 8 号 p. 893-896

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抄録
透析中の異常高血圧は重篤な合併症の原因となりうる. 今回我々は経口降圧剤およびニフェジピンの舌下投与では調節不良の, 透析中に異常高血圧 (収縮期血圧200mmHg以上) を呈する慢性腎不全患者6症例に対し, 塩酸ニカルジピン注射薬の透析中持続静注を試みその降圧効果および副作用について検討した. その結果6症例中全症例において収縮期血圧 (mean±SD) 216.2±17.2mmHgから1時間後152.5±26.6mmHgへと有意な血圧低下 (P<0.05) を認め, 透析終了まで安定した血圧の維持が可能であった. 副作用として1症例に頭痛が認められた. 本薬の持続静脈内投与は透析中の異常高血圧の調節に有効であると考えられた.
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© 社団法人 日本透析医学会
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