抄録
血液透析患者の血中BNP動態を検討し, 血液透析患者の平均血中BNP値が, 健常人のそれに比較し約10倍上昇していることを確認した. また, 健常人および血液透析患者の血中BNPの存在様式に, 大きな差異が認められ, 健常人の血中BNPが低分子型のBNP (1-32) であるのに対し, 血液透析唐者のそれは大部分が高分子型のγ-BNPであった. さらに, 血液透析前の血中BNP値は心胸郭比と有意な相関を示したが, 血液透析前後における血中BNP減少率と体液量の減少率との間には有意な相関は認められなかった.