日本透析療法学会雑誌
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Vancomycinの長期静注投与例
宮形 滋下田 次郎鈴木 隆志西澤 理原田 忠土田 正義福田 孝
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キーワード: 透析患者, 静注投与
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1993 年 26 巻 2 号 p. 161-163

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抄録
症例は30歳男性. MOFのためポリスルフォン膜 (F60) を使用し4L置換のHDFを連日4時間施行していた. 血液培養にてVCMのみに感受性を示すMRSAが検出されたためVCM500mg/日を5%ブドウ糖液250mlに溶解しHDF後に1-1.5時間かけて隔日毎に, 1か月間点滴静注した. HDF前に採血しVCMの血中濃度を測定した. 血中濃度の平均は, 投与後1日目25.5±4.3μg/ml, 2日目16.8±2.7μg/mlであり, 長期の連続投与にもかかわらず蓄積傾向は認められなかった. 投与中止後は血中濃度は徐々に減少し, 最終投与7日後には3.2μg/mlとなった. この間, VCMの副作用と考えられるものは認められなかった.
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© 社団法人 日本透析医学会
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