日本透析療法学会雑誌
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血液透析と血漿交換併用療法により救命し得たSystemic lupus erythematosusの1症例
渡辺 順武林 祥裕北村 真飛田 美穂佐藤 威清水 宏明有森 茂
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1993 年 26 巻 2 号 p. 213-218

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抄録
今回我々は汎血球減少症, 重度心タンポナーデ, および腎不全に陥ったSLE症例に対して血液透析と血漿交換療法を併用し全身状態および腎機能の改善を認めたのでここに報告する.
症例は45歳で, 昭和40年にSLEと診断されステロイド治療を受けていた. 昭和50年に完全寛解といわれ内服を中止していたところ昭和62年近医にて腎機能の低下を指摘され当院入院した. 入院時全身浮腫著明で, 検査所見では汎血球減少症, 抗核抗体高値, 腎不全, 著明な心タンポナーデを認めた. 入院当日より血液透析を施行したが全身状態が非常に悪くステロイド剤の投与ができないために, 第7病日より血漿交換療法を開始した. 免疫吸着血漿交換を1回, 二重濾過血漿交換を2回施行した後に全身状態はやや改善したためステロイド投与を開始した. その後も血液透析と血漿交換を施行し, 全身状態は著明に改善し, 血液透析から離脱し退院した.
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© 社団法人 日本透析医学会
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