日本透析療法学会雑誌
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狭心症を合併した慢性透析患者に対する経皮的冠動脈形成術の治療成績の検討 第2報
佐内 透安 隆則野々木 宏木村 玄次郎宮崎 俊一今西 政仁河野 雄平小嶋 俊一土師 一夫松岡 博昭鬼頭 義次尾前 照雄
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1993 年 26 巻 6 号 p. 1123-1126

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抄録
薬物治療に抵抗する狭心症を合併した維持血液透析中の12例 (男8, 女4例, 平均年齢は56.3歳) に対する経皮的冠動脈形成術 (PTCA) の治療成績について検討した. 合計27狭窄病変に対してPTCAを施行し, 22狭窄病変 (82%) の拡張に成功した. 不成功例は2例で, そのうちの1例は小脳出血により死亡したが, 他の11例では重篤な合併症は出現しなかった. 患者成功は12例中10例 (83%) で, 非透析例と同等の治療成績であった. 11例の平均追跡期間は2年5か月で, 狭心症が4例に再発し, 3例には再度PTCAを施行し, 全例成功した. 透析患者に対する冠動脈バイパス術はいまだにhigh riskとされていることから, 透析患者の難治性狭心症に対しては, 解剖学的に禁忌・不適応でない限り, PTCAが第一選択と考えられた.
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© 社団法人 日本透析医学会
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