日本透析医学会雑誌
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血液透析患者の食道表在癌に内視鏡的粘膜切除術を施行した1例
中村 道郎本田 宏林 武利広谷 紗千子竹内 丙午片山 修波多野 道康幕内 博康
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1994 年 27 巻 6 号 p. 991-995

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抄録

血液透析を行っている腎不全患者の食道粘膜癌に対し, 内視鏡的粘膜切除術を行い, 術中術後ともに合併症もなく順調に経過した1例を経験したので報告する.
症例は, 66歳男性, 透析歴2年で, 定期検診で施行された上部消化管内視鏡にて下部食道に, ヨード不染性のIIb様病変を発見された. 生検の結果食道癌と診断し, 精査の上, 粘膜切除術の適応と考え内視鏡的粘膜切除を施行した. 術中術後, 出血などの合併症もなく順調に経過し, 術後のQOLにほとんど影響を与えず, 術後7日目に退院した.
血液維持透析の患者に対する内視鏡的粘膜切除術は本邦で初めてと思われるので, その手技と術後管理について若干の文献的考察を加え報告する.

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© 社団法人 日本透析医学会
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