日本透析医学会雑誌
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透析骨症における血中ピリジノリン, デオキシピリジノリン測定の意義
三馬 省二影林 頼明米田 龍生福井 義尚吉田 克法平尾 佳彦岡島 英五郎新井 邦彦本宮 善恢佐藤 春彦
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1994 年 27 巻 9 号 p. 1235-1240

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抄録
維持透析患者34例を対象に, 骨吸収マーカーであるピリジノリン (Pyr), デオキシピリジノリン (Dpyr) の血中濃度を蛍光検出高速液体クロマトグラフィーにより測定した. 対照として, 正常腎機能を示す成人13例の血中Pyr, Dpyrを測定した. その結果, 対照ではPyrは13例中7例が測定感度 (3pmol/ml) 以下を示し, 最高値は7pmol/mlであった. Dpyrは対照全例において測定感度以下であった. 維持透析患者においては, 全例対照に比較し, 数倍から数十倍の高値を示し, PyrとDpyrとの間に高い相関が認められた (r=0.955, p<0.001). C-PTH値により対象をカットオフ値以上とカットオフ値未満で2群に分けて各群のPyr値, Dpyr値の平均値で検討したところ, カットオフ値2.5ng/ml, 5.0ng/ml, 10.0ng/mlのいずれの場合も2群間に有意の差を認めた. また, Pyr, DpyrのいずれもPTH, オステオカルシン, 酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼと高い相関を示した (p<0.001) が, 透析期間とは相関を示さなかった. 以上の結果より, RODマーカーとしての血中Pyr, Dpyrの有用性が確認されたと考える.
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© 社団法人 日本透析医学会
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