Papers in Meteorology and Geophysics
Online ISSN : 1880-6643
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原著論文
メソスケール、非静力学、圧縮性モデルによる有限振幅山岳波の数値シミュレーション
相原 正彦岡村 博文
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1985 年 36 巻 2 号 p. 119-135

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抄録
 メソスケ一ル気象現象を追跡するのに都合の良い方程式系を提案する。この方程式系は地球回転の効果は含まず、非静力学、圧縮性の断熱理想流体の運動を記述し、閉じた領域に適用したときには、全質量と運動エネルギー、内部エネルギー及び重力ポテンシャルエネルギーからなる全エネルギーを厳密に保存する。原方程式系の性質を保有する垂直2次元微差方程式系を用いて、平均的な冬季の大気状態において発達する山岳波の数値シミュレーションを行った。数値シミュレーションの結果は同じ大気状態に対応する定常、線型、非静力学ブシネスク系の解とかなりよく合う。それは数値シミュレーションに使用した山岳が緩い傾斜をもつ分布をしているためである。この方程式系の長所及び将来への応用についても簡単に述べる。
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© 1985 気象庁気象研究所
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