日本透析医学会雑誌
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遷延する意識障害, 多臓器不全を合併した熱中症の1救命例
勝二 達也金 智隆林 晃正北村 栄作岡田 倫之中西 功椿原 美治岸川 政信桂田 菊嗣
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1995 年 28 巻 1 号 p. 89-93

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抄録

意識障害が約1か月間遷延し, 多臓器不全を合併しながらも救命しえた熱中症の1例を報告する. 症例は14歳, 男性. 平成5年8月17日, サッカー部の練習中, 突然呼吸困難, 意識障害をきたした. 入院時, 意識レベル3 (JCS), 直腸温40.8℃, 発汗停止し, 呼吸不全を認め, さらに急性腎不全, 肝不全, DICを合併し多臓器不全に進行した. 9日間の高度意識障害と, さらに1か月に及ぶ軽度から中等度の意識障害を伴ったが, 持続的血液濾過, 血液透析, 血漿交換療法等の血液浄化法により多臓器不全の管理を行い, 救命するに至った.
熱中症は現在でも致死率の高い疾患であり, 特に意識障害が遷延する場合は, 極めて予後不良である. 迅速な体温冷却と多臓器不全の管理が重要であり, 血液浄化療法を行うにあたって, 体温冷却を念頭におくことが望ましい.

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