日本透析医学会雑誌
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血液透析患者に合併した頸部リンパ節結核の1例
桑原 守正高木 紀人西谷 真明中村 晃二大田 和道藤崎 伸太降幡 睦夫
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1995 年 28 巻 1 号 p. 95-98

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抄録
慢性腎不全にて血液透析中の61歳の女性に合併した頸部リンパ節結核の1例を報告する.
不明熱ののちに頸部リンパ節が多数個, 有痛性の腫脹をきたし, その生検による病理組織学的所見にてリンパ節結核の診断が得られた. 治療はisoniazid 0.2g/日, rifampicin 0.45g/日を10か月間, streptomycin 0.5g/週を3か月間, 3剤の併用投与を行い寛解を得ることが可能であった.
血液透析患者の結核症は透析開始3か月以内に発症することが多く, 1-2年以内に発病率が高いことが知られている. 自験例は透析開始約2年後に発病したが, 血液透析患者の結核症は典型的でないことが多く, 肺外結核や, しばしば不明熱の原因として発見されるので注意が必要である.
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© 社団法人 日本透析医学会
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