2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18163
混成堤のマウンド被覆材として,千鳥状に配列した石かごを用いた現地適用例や既往の研究はない.本研究では,混成堤のマウンド被覆材として千鳥状に配列した石かごを用いた1/40模型縮尺の不規則波実験を実施した.安定性の評価には,清水ら(2023)と同様に石かご模型それぞれの平均的なマウンド岸沖方向滑動量を表す値である無次元平均滑動量D’を用いた.結果,格子配列の場合と比較して,千鳥配列では,連鎖的な石かご模型の移動を防ぐ可能性を示唆した.また,D’が0.05,0.10,0.15における安定数Nsは,千鳥配列より格子配列での実験結果の方が約0.3大きかった.石かご模型同士に間隔を設けて配列をした本実験条件においては,格子配列と千鳥配列のNsは概ね変わらず,実験精度のばらつきの範囲内であると推察する.