日本透析医学会雑誌
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血液透析患者における血清macrophage colony stimulating factor (MCSF) の臨床的検討
血清脂質および動脈硬化との関連
宮田 康好田出 公克古川 正隆野口 満錦戸 雅春古賀 成彦松屋 福蔵金武 洋斉藤 泰
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1998 年 31 巻 2 号 p. 113-118

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抄録

Macrophage colony stimulating factor (MCSF) は, 単球/マクロファージや骨髄幹細胞, 血管内皮細胞, リンパ球といった様々な細胞から分泌されるサイトカインである. MCSFが血清コレステロールを低下させることが知られる一方, 抗動脈硬化作用を有することが動物実験によって認められている. しかし, 血液透析患者におけるMCSFと脂質代謝および動脈硬化との関連について検討した報告は少ない. そこで, 我々は30名の血液透析患者において血清MCSFを測定し, 血清脂質値および大動脈石灰化指数との関連を臨床的に検討した. 血液透析患者の血清MCSF値は2.0±0.3ng/ml (1.1~3.1) であり, 対照群の1.6±0.4ng/mlに比し有意に高値を示していた. MCSF値と大動脈石灰化指数の間に正の相関 (r=0.48, p<0.01) を認め, total cholesterol (TC) およびhigh density lipoprotein-cholesterol (HDL-C) の間に負の相関を認めた. 今回の結果から, MCSFはTCを低下させる作用を有するとともに, 血液透析患者における動脈硬化の成因や経過に関与する可能性が推察された.

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© 社団法人 日本透析医学会
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