日本透析医学会雑誌
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人工血管使用内シャント手術のための皮下トンネラーの考案
春田 直樹田中 一誠福田 康彦香川 直樹繁田 直史土肥 雪彦
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1999 年 32 巻 2 号 p. 105-108

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抄録

著者らは人工血管を用いた内シャント術用皮下トンネラー (以下HT (Haruta Tanaka) トンネラーと訳す) を考案し試用してきたので報告した.
材質はSUS303ステンレススチールで, シャフト部の長さは180mm, 外径は5mmと6mmの2種類を作成した. シャフト末梢側55mmは15度に屈曲し, 不必要な組織損傷を避け, 術後の皮下出血・浮腫を軽減するため先端の形状を鈍とした. シャフト先端部は取り外し可能なキャップ状とし, 内筒には人工血管縫着固定用に二箇所の穴を設けた. 指先での把持・操作を目的に, ハンドル部の形態を小型で扁平とした. この結果ハンドル部を握り込む形式のトンネラーに比べ, 皮下トンネルの深さの調整が容易となった. また人工血管を引き抜く際に, 屈曲や捻れは生じず, さらに従来の大型のトンネラーのように末梢側より中枢側へ引き抜く際に, 患者の身体に支え, 操作に困難を生じることもなかった.
以上のようにHTトンネラーは内シャント手術手技の簡素化に役立った.

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