日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
Print ISSN : 1340-3451
ISSN-L : 1340-3451
腹膜機能検査のcharge selectivity index (CSI) とpersonal dialysis capacity (PDC) 検査の諸因子の関係について
渡辺 修一岩永 伸也石井 健夫佐藤 順一小倉 誠木村 靖夫細谷 龍男川口 良人
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 33 巻 7 号 p. 1109-1113

詳細
抄録

腹膜機能の指標として, 分子量が同等で等電点の異なる中性のglutamine (Gln) と酸性のglutamate (Glu) および塩基性のlysine (Lys) を用いた腹膜のcharge selectivity index (CSI) と物質透過性に関するthree pore modelの理論より開発された腹膜機能検査法であるpersonal dialysis capacity (PDC) 検査の諸因子と比較検討した. 検討実施前1年以上腹膜炎の既往がないCAPD38例 (男性24例, 女性14例, 平均年齢は57.8±11.4歳, 平均CAPD期間は46.9±33.2月) を対象とした.
2.5%透析液2Lを4時間腹腔内に貯留し中間点採血し, 血中 (P) と排液 (D) のGln, Glu, Lysを測定しD/P比を求め, CSI【CSI (Glu, Lys): (Glu, Lys) D/P比÷Gln D/P比】を算出し, 同時に, PDC検査を施行し, Area, Plasma loss, AbsorptionおよびAreaを構成するcell pore, small pore, large poreの面積について検討した. その結果, CSI (Glu, Lys) ともに, Area, small poreおよびcell poreと良い正相関を示し, Plasma loss, Absorption, large poreとは相関を認めなかった. 腹膜のcharge selectivityの減少は腹膜の透析面積の増加を意味するが, この理由としてsmall poreおよびcell poreの面積の増加に依存している可能性が示唆された.

著者関連情報
© 社団法人 日本透析医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top