日本透析医学会雑誌
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冠動脈造影検査により発症したコレステロール結晶塞栓症の1例
河合 華代鍋島 邦浩高山 公洋
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2001 年 34 巻 1 号 p. 61-66

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抄録
症例は83歳, 女性. 既往に高血圧症と高脂血症あり. 1999年2月8日冠動脈造影検査 (CAG) 実施後, 足趾チアノーゼが出現し, その約3週間後には腎機能障害を認めた. 腎機能は一時改善傾向を示したが, 6月に実施された2度目のCAG後より再び腎不全が悪化し血液透析へ導入となった. その後肝機能障害や動揺性の意識障害が出現, カヘキシアが進行し9月29日死亡した. 剖検所見より多臓器にコレステロール結晶塞栓に伴う血管閉塞像を認めた.
臓器障害を伴うコレステロール結晶塞栓症 (CCE) の死亡率は高く, その再燃に至っては極めて予後不良であり, 再燃予防が重要である.
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© 社団法人 日本透析医学会
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