日本透析医学会雑誌
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外来透析患者に対する訪問看護の臨床的意義 -臨床的パラメーターの評価を中心に-
梅木 いずみ大山 美津恵深尾 涼子廣瀬 さき子小玉 勝美稲田 俊雄彰 一祐福井 光峰富野 康日己
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2002 年 35 巻 10 号 p. 1333-1336

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抄録

高齢化に伴い透析施設ではセルフコントロール等にさまざまな問題を抱えているのが現状である. 特に外来透析施設では在宅情報を正確に把握することは難しく, 実生活に即した援助や指導が不十分である. また, 高齢化によって日常生活や通院困難などの理由から社会的入院を余儀なくされるケースも多い. しかしながら, 高齢者のQOLを考えた場合在宅ケアが望ましく, 実際そのような希望も多いことから, 今後さらに在宅での要介護透析患者は増えていくものと予測される. 近年, 在宅医療のニーズが高まりつつあるなか, 当クリニックでは外来施設として特に高齢化問題に可能な限り対処すべく, 的確な患者情報の収集および効果的な指導の実施を目的に透析室付属の訪問看護室を併設した.
今回その訪問看護を導入し, 自己管理不良の患者に対する指導や援助を実施するうえで有用であることが臨床的パラメーター (体重増加率, 透析時における処置回数, 服薬コンプライアンスの指標としての血清Ca, P値およびCaCO3投与量の推移など) を通して客観的に示された. さらに, 透析室と付属の訪問看護室との連携が的確な患者情報の収集および共有を可能にし, 迅速な問題解決や患者との信頼関係の形成など看護の継続性を実現する上でも有意義であると思われた.

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