日本透析医学会雑誌
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Acetate free biofiltrationにおけるバイフィル®専用炭酸水素ナトリウム補充液の至適投与量に関する検討
大段 剛廣瀬 裕美雨宮 均奥山 寛小林 力小岩 文彦新倉 一彦出浦 照國大棟 英弘
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2003 年 36 巻 11 号 p. 1605-1610

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抄録

目的: バイフィル®-S (B-S) とバイフィル®専用炭酸水素ナトリウム補充液 (補充液) を使用したacetate free biofiltration (AFBF) 施行時における血液流量 (QB), および膜面積に応じた補充液の至適投与量について検討した. 対象・方法: 安定期透析患者6名を対象に1.3m2のPS-1.3UWと1.6m2のPS-1.6UWの膜面積の違う2種類を使用し, 週1回のみQBをそれぞれ100, 150, 175, 200mL/minと変化させた治療を行い, 血清ナトリウム濃度およびHCO3-のクリアランスを経時的に測定した. ヘマトクリット (Ht) 値はクリットライン®により経時的に測定し, その他の治療条件は一定とした. 結果: 血中HCO3-濃度を終了時に25.0mEq/L以上30.0mEq/L未満にコントロールする至適補充液流量は, QBの12.5-13.5%で設定可能であった. また, 同量の補充液の置換に伴う血清Na濃度の変動は認められず, 治療中の除水に由来したHt値の経時的な上昇を認めた. 結論: バイフィル®-Sとバイフィル®専用炭酸水素ナトリウム補充液を使用したAFBF施行時において至適補充液流量は, 血液流量の12.5-13.5%であると考えられた.

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© 社団法人 日本透析医学会
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