2003 年 36 巻 5 号 p. 341-344
59歳男性. 慢性腎不全にて1987年5月よりCAPD療法導入となった. 1994年からは腹膜炎のためHD療法へ変更となり維持透析中であった. 1999年11月頃より進行性の両上下肢筋力低下を認め当院紹介入院となった. 頭部CT, MRIにて右頭頂部と左後頭部に膿瘍を認めた. 脳神経外科的に穿頭ドレナージ施行した. 膿瘍は培養の結果ノカルジアであった. 抗生剤, ST合剤を使用し, 血液透析はHDFやグリセオール使用にて脳圧に変化をきたさないように工夫し, 現在は歩行できるまでに回復した.