抄録
当院では, 返血操作時の空気混入事故や出血事故等を未然に防止するため, エアー返血から生理食塩水 (以下, 生食) を用いた生食充填返血へ変更した. この変更に伴い, 既存装置のサポート機能に, 生食充填返血機能と自動濾過排液機能を追加するバージョンアップを行った. 生食充填返血機能は, 充填する生食量の設定と返血速度である血液ポンプ流量の設定だけで, 返血を開始することができる. また, 返血開始と同時に気泡センサーや静脈圧および透析液圧上下限警報がセットされる. 自動濾過排液機能は, 返血後の血液回路内に残された生食を血液ポンプによってダイアライザーに送り, 透析液を陰圧にしてダイアライザーから濾過排液する機能である. これら機能の追加は, 1個のROM交換で済み, 安価で短期間に生食充填返血へ移行することが可能である.