日本透析医学会雑誌
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発症早期のステロイドパルス療法が奏効した, 慢性維持透析患者に発症したacute lung injuryの1例
寺脇 博之吉村 和修長谷川 俊男中山 昌明細谷 龍男
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2004 年 37 巻 2 号 p. 157-162

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抄録
症例は, 平成2年血液透析導入された60歳男性. 平成15年3月30日頃から上気道炎症状出現. 4月1日血液透析終了後咳嗽が増悪し, 体温も38.4℃へ上昇. また呼吸困難感を自覚するようになった. 胸部X線およびCTにて著明な肺水腫所見を認め, ただちに気管内挿管. 心エコーではうっ血所見なし. 動脈ガス分析にてPaO2/FiO2=221.7/1.0よりacute lung injury (ALI) と診断された. Methylprednisolone 500mg (3日間) および抗生物質 (imipenem) を投与したところ, 呼吸不全は劇的に改善し, ALI発症2日後の4月3日には抜管可能となった. 以後呼吸不全の再増悪なく経過した.
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© 社団法人 日本透析医学会
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