認知症治療研究会会誌
Online ISSN : 2435-8711
Print ISSN : 2189-2806
認知症の周辺症状(BPSD)の治療におけるフェルラ酸の有用性に 関する基礎研究
荒木 良太
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 7 巻 1 号 p. 32-34

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抄録
植物由来成分であるフェルラ酸を含むサプリメントが認知症の周辺症状(Behavioral and psychological symptoms of dementia;BPSD)に対して有効である例が報告されている.しかしながら,その作用機序の詳細は明らかとなっていない.これまでに我々は,フェルラ酸が中枢神経系に及ぼす影響に関して,実験動物を用いた基礎研究を行い,フェルラ酸が神経幹/前駆細胞の増殖を促進することや5-HT1A受容体の部分作動薬として働くことを明らかにしてきた.本稿では,こうした我々の基礎研究結果をもとに,フェルラ酸がBPSD を改善するメカニズムとBPSD の治療におけるフェルラ酸の有用性について考察する.
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© 2021 認知症治療研究会
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