2016 年 3 巻 p. 24-40
本実践は中学校のキャリア教育をフィールドに、中学生がグループで職場に出向き、働いている人へインタビューを行い、映像を制作するデジタル・ストーリーテリング・ワークショップによって職業理解、自己理解を高める授業実践をデザインした。またワークショップの中で、学習者自身が学習者用デジタル教科書コンテンツを制作することを通じて学ぶ、というデジタル教科書のあり方の多様性を示し、検討した。ワークショップデザイン上の工夫としてiPad というメディアの新奇性を保ちつつ内容に集中できるような設定や、教師でも一緒に活動を行う生徒でもない存在としての大学生の介入を行った。事前・事後でのキャリア意識についてのアンケート調査から、本授業実践によって職業理解、自己理解が高まったことが示された。