本報告は,2014年8月に広島市で発生した土砂災害について,高等学校の各教科で扱われる内容を整理し,IT機器を活用することで,多岐にわたる視点から土砂災害,ないしは被災地域を見つめることで,減災教育を試みた実践を報告するものである。
本校は,2014年8月に広島市で発生した,8.20豪雨災害で大きな被害が発生した安佐北区可部地区内に位置している。そのことから,自然災害に関する内容を地理Bの授業で取り上げると同時に,2020年から実施予定の新入試制度において検討されている,合教科型の試験が実施されることを見据え,複数の教科で学習する内容を結びつけることを試みた。そこで本報告では,事例を提示した上で,複数の教科で学習する内容を結びつける上でのICT教育の有用性と,合教科型授業を実践する上での問題点を整理し,その問題を解決するために必要となる条件を考察する。