日本デジタル教科書学会年次大会発表原稿集
Online ISSN : 2188-062X
ISSN-L : 2188-062X
日本デジタル教科書学会2015年度年次大会
選択された号の論文の39件中1~39を表示しています
研究発表 第1日目
実践発表 第1日目
研究発表 第2日目
  • 安東 恭一郎, 結城 孝雄, 畑山 未央, 福本 謹一, 村上 尚徳, 黒岩 由愛, 直塚 俊介
    p. 25-26
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    本デジタル鑑賞システムは,デジタルコンテンツ開発においてはDNP(大日本印刷株式会社),授業構想と実施においては美術デジタル教科書研究会メンバーがそれぞれ担当した。このコンテンツは,まず美術作品を事前授業で擬似的なデジタル体験学習によって一枚の絵画の意味について学ぶ,その後,事前学習で対象となった作品が収蔵される美術館を訪問し,実物と出会う場面を設定しその相乗効果を期待するものである。本研究では独自に開発したデジタルコンテンツを用いて「絵の中に入る」体験的な鑑賞活動を展開する一方で,実物との出会いの場面と関連付け,疑似体験と実物体験を一体的に活用することが構想されている。これら活動を通して子どもたちはデジタル鑑賞コンテンツでは味わうことのできなかった本物の特質を五感で感じ取り,美的体験を深めることができる。

  • 藤平 昌寿
    p. 27-28
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    音楽教育において、音感・色聴などと呼ばれる聴音能力に関する研究は、教育的側面だけでなく、音響学・心理学等からのアプローチも含めてかなり行われている。一方で、譜面を読む、いわゆる読譜については、教科書の変遷や分析・実践研究などは行われているが、譜面から音程やリズムを推定する読譜行為そのものに触れている研究はまだ数少ない。また、複雑な読譜は、幼少期から特別な音楽教育に触れてきた者特有の能力と位置付けられる風潮もあり、集団的な教育現場では口伝的に伝えるのが精一杯との認識も根強い。簡易な読譜ができないということは、「1+2=」という数式を見て3個の具体的物体を思い浮かべられない、或いは、「apple」という英単語を見てリンゴを思い浮かべられない、ということとあまり相違ないと考えられる。本研究ではその端緒として、音だけを聞いて音程を推測する行為と、音と連動して動く視覚的な譜面を見せながら音程を推測する行為とを比較し、デジタル教材による読譜行為への影響を考えたい。

  • 渡辺 景子
    p. 29-30
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    タブレット型端末を活用した音楽創作の授業として、対位法や和声法の考え方を活用し、2重奏を創作する授業を実践した。タブレット型端末には生徒の記譜力・読譜力・演奏技能不足を補う道具として活用できるほか、軽量なため交流ツールとしても優れている。しかし、授業を実践していく中で、生徒はタブレット型端末を便利な教具として捉えているばかりではなく、「iPadだからこそできる音楽」を楽しんでいる様子が見られた。実際には演奏が不可能なものについても、「iPadらしい」と簡単に受け入れ、自分の音楽の世界を広げることができていた。

  • 佐藤 和紀, 森谷 直美, 深見 友紀子, 堀田 龍也
    p. 31-32
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    小学校第5学年児童のリコーダーの学習において、音楽専科の模範演奏映像の動画を保存したタブレット端末を自宅に持ち帰らせ、それらを見ながら練習するよう促した(反転学習)。評価は音楽専科、学級担任、音楽教育研究者の3名で行った。Kendallの一致度によれば三者の評価の一致度は高かった。また、反転学習を行った児童は、反転学習を行っていない児童に比べて、ポストテストにおいて評価が有意に向上した。

  • 寺尾 敦
    p. 33-34
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    われわれは,大学での数学リメディアル教育,および,初年次数学教育のために,テキストと併用する解説教材や問題演習教材を開発してきた.学校教育において,このような補助教材をデジタル教科書とどのように組み合わせるかを考えたとき,2画面タブレットというアイデアに行きついた.デジタル教材の提示装置として,一般には1画面のタブレットが想定されている.しかしこれには,多様なコンテンツを教科書検定の対象とすることの困難や,同時提示されるべき教材の一方しか提示できないことによる学習の阻害という問題点がある.2画面タブレットを用いて,デジタル教科書をひとつの画面,補助教材をもうひとつの画面に提示すれば,こうした問題は解決される.

  • 青木 浩幸, 原 久太郎
    p. 35-36
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    日本のデジタル教科書の特徴は紙の教科書を忠実に再現した固定レイアウトである。知職構造を表した意匠と授業での利便性がその理由とされるが,アクセシビリティの面からの批判がある。

    また,タブレット端末が使われることにより従来のPCとは異なる,新たな操作性-の要求が生じている。これらの問題の状況を明らかにするため,学習者用デジタル教科書の紙面が持つ機能と製作技術の現状を調査するとともに,これからの方向性を考察した。

  • 岡崎 均
    p. 37-38
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    本研究では,紙媒体の社会科教科書を本文と資料の関連を示す構成内容と,構成単位の配列を示す構成方法の視点から分析し,その課題と構成上の特性を解明した。そして,構成分析から抽出した構成内容に基づく社会科デジタル教科書の設計理論を明らかにし,多様な形態資料を関連付け順序性をもたせた提示が可能なモデル事例を開発した。

  • 李 禧承
    p. 39-40
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    本研究は、デジタル教科書の利用授業における教師の教授行為の特徴を明らかにすべく、デジタル教科書の利用授業の事例分析を実施した。分析の視点は、教師の発話記録から教授行為の中心概念の「発問」「指示」「説明」に注目し、発話類型とその出現時間とした。分析結果、発話類型としてつがあること、中でも「指示-作業」が全体の授業時間で占める割合が一番高いことが確認できた。本研究は、今後デジタル教科書の利用授業において教師の役割がどうあるべきかを検討するための基礎研究としてその意義がある。

  • 井上 芳郎
    p. 41-42
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    2016年4月の「障害者差別解消法」施行による合理的配慮提供の義務化を前に、文科省では「デジタル教科書の位置付けに関する検討会議」を設置し、教科書諸制度や著作権制度とデジタル教科書との関係などについて検討を始めた。一方DAISY/EPUB策定の進展や各種プラットフォームでの実装など、技術的側面でのアクセシビリティ確保の実現性は高まっている。筆者は2015年1月に本学会助成を受け、「DAISY/EPUBで実現するアクセシブルなデジタル教科書」のテーマで研究会を企画した。その成果を踏まえ到達点と今後の課題について報告する。

実践発表 第2日目
ポスターセッション 第2日目
  • 清原 文代, 神谷 健一
    p. 63-64
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    電子教科書のフォーマットは電子書籍の実質的な世界標準規格であるEPUB3、そして将来的にはEPUBを教育用に拡張したEDUPUBが主流となることが予想される。しかし本発表ではこれらとは異なる手段である「データベースソフトを使用した電子教科書」を提案したい。データベースの長所は「データそのもの」と、それを表現する「レイアウト」が別のものとして定義され、同一データを様々な形式で提示できる点にある。そして検索機能を用いることで、特定の条件に合致するデータだけを提示することも容易に行える。これは「教員がデータの中から見せたいものを組み合わせて、見せたいレイアウトで提示することが可能になる」ことにもつながる。

  • 関 亜紀子
    p. 65-66
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    従来よりMoodleなどの学習支援システムを活用する学校が増加しているが,これらのシステムを活用する上で,学習コンテンツの作成に知識と時間を要するという問題が存在している.本研究では,学習コンテンツの共有を支援する技術として,学習指導要領の情報と各社のデジタル教科書のメタデータを用いた問題管理により,指導者や学習者が求めるコンテンツを容易に共有できる仕組みの実現手法を提案する.

  • 曽我 聡起, 川名 典人, 中村 泰之, 中原 敬広
    p. 67-68
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    我々は,Apple社が無償で提供するマルチタッチブック作成アプリケーションiBooks Authorを用いて,教員が自作するデジタル教科書内からLMS(Moodle)に連携することが手軽に実現できる機能の開発を行ない,現在,英語や基礎物理学の授業などで実証実験を行なっている。2015年7月のiOS/OS X,iBooks AuthorのバージョンアップによりマルチタッチブックはiPhoneに対応し,さらにePub形式への出力機能が追加された。これにより,従来はiPadおよびMac専用だったマルチタッチブックが様々なスマートフォンで利用可能となった。これを受け,我々がこれまでに開発してきたLMS連携機能のスマートフォン対応を行い,また,スマートフォン向けLMS連携型デジタル教科書の試作を行った。本発表では,デジタル教科書を用いたモバイルeラーニングの例として実演を交えて紹介する。

  • 田中 百香, 藤井 佑梨奈, 曽我 聡起
    p. 69-70
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    小学生が水族館などの施設見学をする際に、より深く理解してもらうためにデジタル教科書を利用することで、紙の教材では得られない情報の提示が可能になると考えている。

    そのため、我々はApple社が無料で提供しているマルチタッチブック作成アプリケーションであるiBooksAuthorを用いて、HTMLwidgetをiBooks Author内に埋め込み、クイズ形式で理解を深めることが可能なデジタル教科書を作成する。ほかに、HTMLwidgetではHTML5を用い、小学生がタッチや移動などの操作を行うことで、より楽しくゲーム感覚で学べるようなものを検討している。また、先般iBooks AuthorコンテンツがiPhoneにも対応したことにより、i P h o n eで気軽に利用してもらえるようなデジタル資料となっている。本発表では、施設見学に来た小学生向けデジタル教科書を試作し、実演を交えて紹介する。

  • 伊藤 遥香, 中谷 美保, 曽我 聡起
    p. 71-72
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    我々はApple社が無償で提供するマルチタッチブック作成アプリケーションiBooks Authorを用いて地域の観光資源を紹介する。一例として、地域の水族館を紹介する。その内容として、場所への地図や、建物の沿革、展示されている魚のデータ、イベント情報などを紹介する。iBooksを用いることにより地域内だけではなく、紙媒体では配布することが難しい地域以外にも資料の配布が可能となる。データの更新が容易となり、最新の情報を伝えることが期待できる。

  • 西田 理貴, 大鐘 幸一郎, 曽我 聡起
    p. 73-74
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    紙媒体による観光案内などの資料はアナログ的な検索方法に限られる上、表現方法には限度がある。また、不必要となった場合や最新の情報を追加する場合などは処分される。この点iBooks AuthorやFileMakerなどのデジタルコンテンツを用いることによる有用性がある。しかし、デジタルコンテンツ故に階層化された場合にコンテンツを探し出す操作など、デバイスを使用する上での操作スキルの問題が挙げられる。それらを解決することを目的とし、効率的にデジタルコンテンツを表示・利用できる方法について検討した。また、博物館などにおいて展示場所に応じたデジタルコンテンツを表示するために、iBeaconなど近接通信との連携を目標とした。

  • 沖田 翔, 山内 啓之, 石堂 友紀
    p. 75-76
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    本発表では、伊能社中のアーカイブプロジェクトと修学旅行を組み合わせたプログラムを提案し、広く意見を集めたい。修学旅行の目的は、集団生活のあり方や校外における平素とは異なる環境で、刺激的な学習・体験をすることにある。しかし、旅行の一般化や教員への負担が大きいという背景からその目的は形骸化しつつある。そこで、伊能社中のアーカイブプロジェクトをツールとしたプログラムを提案する。アーカイブを作成した現地の高校生が修学旅行生を引率し、地域学習を行うのだ。別の地域の生徒同士がアーカイブやマップを活用し、地域学習を行うことによって新たな学習効果が期待できる。また、アーカイブの作成後活用されない等の問題の解決にも繋がる。実証実験として、11月にプロトタイプとしてキャンプを実施する。

  • 眞壁 豊
    p. 77-78
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    文部科学省が毎年公表している「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」で示される資料は、主に都道府県ごとに全国の状況がまとめられており、当該年度における状況把握や都道府県ごとの比較が行われている。また「コンピュータの設置状況」ならびに「インターネット接続状況」については市区町村別の状況も公表されている。

    本研究では、この市区町村別のデータをもとに、地理情報分析支援システムMANDARAによる全国地図へのデータ描画の結果を報告し、教育の情報化の実態について考察を試みる。

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