心電図
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第26回 日本心電学会学術集会 学術諮問委員会提言シンポジウム
不整脈にCa拮抗薬とATPをどう使うか―基礎と臨床―
上室不整脈に対するATPとCa拮抗薬の使い方
小林 洋一菊嶋 修示宮田 彰三好 史人
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2010 年 30 巻 1 号 p. 20-36

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抄録
ATP(アデノシン三リン酸)は多くの不整脈の診断と治療に用いられる.そのなかで,上室不整脈に対するATPの使い方としては,上室頻拍の停止,上室頻拍の鑑別診断,wide QRS頻拍の鑑別診断,上室頻拍に対するカテーテルアブレーションの評価,WPW症候群に対するカテーテルアブレーション後の副伝導路再発の予知,心房細動に対するカテーテルアブレーションの評価,などがあげられる.まず,ATPのヒトにおける上室の刺激伝導系への作用を概説し,次にATPの基本的な使い方を,さらには,臨床的な診断治療における有用性につき述べ,その他今まであまり使われていない使用方法にも触れる.Ca拮抗薬はすでに20年以上前から不整脈治療に用いられてきたが,本章では静注薬に的を絞り,ATP,ベラパミル,ジルチアゼムの使い分けについて解説する.
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© 2010 一般社団法人日本不整脈心電学会
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