心電図
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原著
ホルター心電図を用いたBrugada型心電図の自動検出
渡辺 俊夫渡邉 哲鈴木 朋阿部 宏美深瀬 さおり和田 由美佐藤 智明森兼 啓太久保田 功
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2011 年 31 巻 3 号 p. 234-241

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抄録
Brugada症候群の心電図は,coved型とsaddleback型のST上昇に分類される.リスク層別化のためにST上昇型の日内・日差変動の評価が重要である.今回,ホルター心電図からBrugada型心電図の自動検出が可能な解析装置を利用し,その有用性を検討した.対象は,ホルター心電図による心室遅延電位計測目的で当検査部に依頼があった連続39例〔Brugada症候群5例(男5例,47.6±10.9歳),その他34例(男19例,女15例,57.6±16.3歳)〕で,全例の3ch(X, Y, Z)双極誘導心電図を記録した.その結果,Brugada型心電図の検出にはZ誘導が優れていることが明らかになった.Brugada症候群ではcoved型およびsaddleback型ST上昇が検出されたものが3例,saddleback型ST上昇のみ検出されたものが1例,両者とも検出されなかったものが1例であった.その他,Brugada症候群以外で1例にsaddleback型ST上昇を認めた.ホルター心電図によるBrugada型ST上昇の自動検出は,日内変動を観察するのに有用であると考えられた.
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© 2011 一般社団法人日本不整脈心電学会
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