心電図
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第28回日本心電学会学術集会 学術諮問委員会指定トピックスより 慢性腎疾患(不全)と不整脈:血液透析患者の不整脈管理を含む
腎機能障害患者における抗不整脈薬の使い方
志賀 剛
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2012 年 32 巻 4 号 p. 327-332

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抄録
抗不整脈薬は,強力な薬理作用を有するとともに副作用のリスクも高く,治療域が狭い.個々の薬物反応には年齢,性別,遺伝的差異,環境因子,基礎疾患,併用薬など様々な因子が影響する.薬物の腎排泄には腎機能が大きなかかわりをもち,各抗不整脈薬により腎排泄率が異なる.腎排泄率の高い薬を正常腎機能例と同じ投与量で腎機能低下例に用いると,血中濃度が上昇し,有害事象が出現する危険性がある.また,高齢者はたとえ血清クレアチニン値が正常であっても,実際の糸球体濾過量は低下していることから,腎機能障害患者として対応することが肝要である.薬物の腎排泄には糸球体濾過,近位尿細管分泌,遠位尿細管での再吸収の大きく3つの機序がかかわる.一般に薬物の腎クリアランスは糸球体濾過量に比例するため,必要に応じて減量,あるいは投与間隔をあける.薬物動態への影響が懸念される場合は適時血中薬物濃度を測定し,治療域(安全域)にあるか確認を行う.腎機能障害患者に対する抗不整脈薬治療は,安全性を第一に考えて慎重に行う姿勢が必要である.
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© 2012 一般社団法人日本不整脈心電学会
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