抄録
心房細動(AF)患者の心房にはマクロファージの浸潤,接着因子,炎症性サイトカイン,ケモカインの発現が高率に認められるため,AFの発症に炎症の関与が示唆される.Okazakiらは,ラットの腹腔内にlipopolysaccharide(LPS,グラム陰性桿菌の細胞壁を構成,炎症性サイトカインや血栓に関与する組織因子を誘発)を投与するとAFが誘発されることを報告し,AFの発症とLPSの関係を示唆した.メタボリックシンドローム(MS)患者のAF発症リスクは高率であるが,その機序は明らかではない.MS患者のLPS濃度は健常者に比して有意に高値であり,単球の産生するケモカイン,組織因子(TF)活性が健常者に比べて有意に高値を示したことより,MS患者のAF発症および血栓形成にはLPS,ケモカイン,TFの関与が示唆された.また,冠攣縮性狭心症の心室頻拍,心室細動の発症にも炎症反応の関与が示唆された.