心電図
Online ISSN : 1884-2437
Print ISSN : 0285-1660
ISSN-L : 0285-1660
心電学フロンティア2012(第47回理論心電図研究会) 炎症と不整脈・Mgの多彩な心筋作用
心房細動発症における炎症の機序と役割
赤澤 宏小室 一成
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 33 巻 2 号 p. 163-169

詳細
抄録
これまでの不整脈の研究は,電気生理学的なアプローチが主流であった.しかし近年,心房細動(AF)の病態に炎症のプロセスが深く関与している可能性が示唆されている.それは,AF患者で見られる炎症マーカーの上昇や心房組織への炎症細胞浸潤といった観察研究だけでなく,動物モデルを用いた実証研究によっても支持されつつある.例えば,アレルギー反応や免疫応答にかかわる肥満細胞が心房線維化やAFの発症に重要な役割を果たしていることが,マウスのAF誘発モデルを用いることにより明らかとなった.肥満細胞は血行力学的負荷によって心房組織に浸潤し,線維形成性サイトカインである血小板由来成長因子(PDGF-A)の産生を増加させ,心房リモデリングやAFの発症を促進していた.今後,肥満細胞を起点とする炎症ネットワークを切り口とした,AFの病態解明とアップストリーム治療の開発へ向けた研究により,新たな展開が期待されている.
著者関連情報
© 2013 一般社団法人日本不整脈心電学会
前の記事 次の記事
feedback
Top