心電図
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第21回 頻拍症カンファランス AVNRTを見直す
AVNRTの解剖学的基盤と神経支配
井上 紳小川 玄洋酒井 哲郎小林 洋一松山 高明
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2014 年 33 巻 4 号 p. 353-361

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抄録
房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)の治療には,遅伝導路(slow pathway)に対するカテーテルアブレーションが極めて良好な成績を上げている.また,その解剖学的基質として,compact nodeから三尖弁上に伸びる房室結節組織の後方伸展〔posterior(inferior) nodal extension〕が注目されている.しかし,遅伝導路に対する電気生理学的アプローチの指標となるJackman電位やHaissaguerre電位の成因は明らかでない.これらの複合電位の発生機序の解剖学的背景について,Koch三角内における冠静脈洞と三尖弁輪前庭部心筋の走行を再構築することで明らかにする.また,AVNRTはslow-fast,fast-slow,slow-slow,left variantの4型に分けられるが,その発生機序について房室結節の心房筋接合部や移行細胞層など興奮旋回にかかわる心筋構築を明らかにし,AVNRT症例を提示して発症要因を検討する.房室結節組織は房室弁輪前庭部心房筋および移行細胞層と直接接合するが,冠静脈洞筋束とは直接接合しない.AVNRT症例では,房室結節組織と三尖弁輪前庭部心筋との接合を認めることは困難である.Koch三角内の神経支配も概説し,カテーテルアブレーション施行部位との関連を説明する.
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© 2014 一般社団法人日本不整脈心電学会
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