抄録
【目的】ウサギ生体位心臓の催不整脈特性を明らかにするため,房室ブロックに伴う徐脈が心室不整脈の発生に及ぼす影響を房室ブロック急性期と慢性期で検討した.【方法】麻酔下のウサギにカテーテルアブレーションを用いて完全房室ブロック術を施した.房室ブロック急性期の検討(実験I)では心室を60回/分で駆動し,ニフェカラント(0.03, 0.3, 3mg/kg)を静脈内投与して心電図の変化を観察した.房室ブロック慢性期の検討(実験II)では,自発的な心室補充調律を確認した後にウサギを麻酔から回復させ,ホルター心電計を用いて不整脈の発生を記録した.【結果】実験Iで,ニフェカラントはQT間隔を延長させ,6例中5例に多形性心室頻拍(torsade de pointes : TdP)を出現させた.実験IIの検討では,23例中14例で術後に安定した補充調律が認められ,TdPが出現した.【結語】ウサギ心臓では,慢性期モデルと同様に,急性徐脈によりQT延長薬存在下で催不整脈特性が顕在化することが示された.