2019 年 39 巻 3 号 p. 195-204
心房細動(AF)患者では,2相撮影造影心臓CT検査で早期相のみ左心耳内造影欠損(left atrial appendage filling defect:LAAFD)が認められることがある.今回,AF例を対象にCT検査でLAAFD有(LAAFD+群:16例)とLAAFD無(LAAFD−群:48例)で,臨床所見の比較検討をした.心エコーで左房容積,左心機能(左室駆出率,E/e’),経食道心エコー検査で左房もやもやエコー(SEC),左心耳血流,組織ドプラーエコー波形速度(PWV-TDI),CT検査で早期相,遅延相の左心耳と上行大動脈の造影比(LAA/AA HU ratio)を計測した.LAAFD+群は持続性AFが多く,BNPが高値,左房容積が大,SECが高度,左心耳血流,PWV-TDIが低値であった.多因子ロジスティック回帰解析で,左心耳流出血流速度と左心耳PWV-TDIが独立したLAAFDの予測因子であった.高度SEC例はSEC一例に比して早期相LAA/AA HU ratioが有意に低値であった.LAAFDは左心耳機能に影響されること,dense SECを伴う頻度が大であることから,間接的に脳梗塞のリスクとなる可能性があること,が示唆された.