2021 年 41 巻 2 号 p. 78-86
心室内伝導遅延を伴う心不全患者に対して心臓再同期療法が用いられているが,近年は本来の刺激伝導路を介した生理的収縮を与えうる左脚ペーシングが新しい手段として注目されている.症例は86歳の男性.数日前から息切れを自覚し,当院を受診した.受診時の心電図では完全左脚ブロック(QRS幅146msec)を認め,心臓超音波検査ではdyssynchronyを指摘された.肺うっ血も著明であり,心不全の診断に至ったが,その後の治療経過が不良であり,心臓再同期療法の目的で左脚ペーシングの植込みを行った.本症例において左脚ペーシング後,QRS幅の短縮およびdyssynchronyの改善,心機能の回復を認めたため,報告する.また,今回新たに汎用画像解析システム(TomTec-Arena)を利用したdyssynchronyの評価方法を試みたので,報告する.