2019 年 14 巻 1 号 p. 15-21
がんの苦痛スクリーニングで対応に必要なリソースを求め,円滑な緩和ケア提供の条件を求めることを目的とした.2017年3月までの2年間の外来がん化学療法1479例を対象としSTAS-J症状版でスコア2以上を有症状とした.有症状は181例(12.2%),リソースは12職種,延べリソース数は288件だった.対応は認定看護師・薬剤師による「直接介入」153件,「主治医対応」98件,「その他リソースの対応」37件だった.不安等の精神症状は「直接介入」(61件,39.9%)が「主治医対応」(10件,10.2%)より有意に高頻度だった(p<0.0001).身体症状への対応は「主治医対応」(88件,89.8%)が「直接介入」(92件,60.1%)より有意に高頻度であった(p<0.0001).がんの苦痛対応には多くのリソースが必要で,認定看護師・薬剤師の直接介入と患者振り分けが緩和ケアデリバリーに有用である.