2024 年 44 巻 2 号 p. 107-113
植込み型心臓デバイス(CIED)装着患者に対する条件付きMRI撮像を,当院では放射線科と連携を取り,デバイス外来と同日に集約し施行しているが,今回その安全性について検証,報告する.対象は,2018年1月から2021年12月までの4年間に施行された121件のMRI撮像(男性80例・女性41例,平均73.2±11.5歳,ペースメーカ110例・植込み型除細動器6例・皮下植込み型除細動器3例・両心室ペーシング機能付き除細動器2例)である.対象例において,撮像前後・遠隔期のテレメトリーデータ,有害事象に関して検証した.当院では上記の撮像枠でMRI対応カード持参を確認後,各メーカーのチェックシートを用いてテレメトリーデータ収集とMRI撮像設定を行っており,このデータを基にした撮像前後のテレメトリーデータで変動を認めた例はなかった.有害事象と考えられるものはMRI撮像直後の一過性心房細動3例,遠隔期での心室刺激閾値軽度上昇1例,電池早期消耗1例であるが,MRI撮像の関与は不明であった.また,複数回の撮像を経験した例ではERIまでの期間の若干の短縮が見られたが,撮像後遠隔期のチェックで刺激閾値やリード抵抗値の変化は見られなかった.条件付きMRI対応CIEDにおけるMRI撮像は,当院においては各社のチェックシートに基づいた確認と各部署との連携で概ね安全に施行できており,重大な事故を含む技術的な問題の発生も認めていない.