2024 年 44 巻 3 号 p. 159-166
エントレインメントペーシングはリエントリー性心房頻拍の回路診断に有用であるが,ペーシングによる頻拍の変化が懸念される.頻拍中に多極マッピングカテーテルの下流電極から単発期外刺激を入れ,上流電極で頻拍のリセットを確認する方法は,頻拍の停止の頻度が少ない可能性がある.本研究では,48の心房頻拍を対象として,エントレインメントペーシングと単発刺激法の診断能をそれぞれ評価した.両診断ペーシング法の陽性適中率は100%であり,陰性適中率はエントレインメントペーシングと単発刺激法で同等であった(96%対100%,P=0.25).診断ペーシングによる頻拍の変化または停止の頻度は,エントレインメントペーシングよりも単発刺激法の方が低かった(1% vs 10%,P=0.003).多極マッピングカテーテルを用いた単発刺激は,頻拍の変化や停止を回避しつつ,頻拍回路の診断を可能にするかもしれない.