2025 年 45 巻 2 号 p. 127-133
心房細動(AF)は超高齢社会において有病率が増加しており,早期診断およびアブレーション後の再発予測が重要な課題である.本稿では,心電図におけるP波に着目し,心房の電気的・構造的リモデリングとの関係,ならびにAF発症および再発との関連について概説する.P波の形態や持続時間,時間的ばらつき,および加算平均心電図による心房遅延電位(A-LP)の有無は,AF新規発症やアブレーション後の再発予測に有用な指標である.特にA-LP陽性例では再発率が高く,治療戦略において基質修正の重要性を示唆する.また,P波オルタナンスの変化は心房逆リモデリングの指標ともなりうる.P波解析は,非侵襲的かつ簡便に得られる情報として,AFの病態理解と治療方針決定に寄与する可能性がある.