2025 年 45 巻 2 号 p. 134-140
心房リモデリング(構造的リモデリング)は心筋細胞の脱落と間質の線維化の形成によるものであり,心電図におけるP波時間の延長や波高の低下として現れる.今回我々はP波長(Pd)と3次元空間におけるP波ベクトルの大きさ(Pvm:P-wave vector magnitude)の比,Pd/Pvmを用いて心房細動アブレーション後の成績との関連を検討した.High Pd/Pvmは有意にアブレーション後の再発が多く,High Pd/Pvmは手技に伴う心筋傷害(高感度トロポニンⅠ)が少なく,再発形式はリンエントリー性の心房頻拍が多いといった,心筋細胞の脱落や線維化を示唆する所見を認めた.Pd/Pvmは術後の再発を予測する簡便で非常に有用な指標であり,同時に心房リモデリングの進行も予測できるため,事前のアブレーションシステムの決定や術中の追加アブレーションの検討にも役立つと考えられる.