2025 年 45 巻 3 号 p. 187-196
【背景】24時間ホルター心電図検査は失神原因精査に不可欠だが,低頻度の不整脈捕捉に限界がある.心原性失神が疑われる患者や前失神症状を有する患者の診断には侵襲的であるものの,長期間の心電図記録が可能な植込み型ループ式心電計(ILR)が必要となることがある.【目的】7日間以上連続記録可能なパッチ型心電図レコーダーによる失神原因不整脈の診断率を検討し,ILR使用低減の可能性を検討する.【方法】2019年4月から2023年3月までに心原性失神精査目的で長時間心電図検査を実施した118例(男性70例,女性48例,平均年齢68歳)を対象とした.失神と関連し得る不整脈(発作性心房細動,発作性上室頻拍,非持続性心室頻拍,持続性心室頻拍,洞徐脈,ポーズ,MobitzⅡ型2度房室ブロック,完全房室ブロック)の発生率と発生日を後ろ向きに解析した.【結果】失神と関連し得る不整脈は43例(延べ75件)に認められた.そのうち38例(88%)は装着後24時間以降に検出された.その後の治療として15例(35%)に心臓ペースメーカ植込みを,また22例(51%)にカテーテルアブレーションが実施された.【結論】心原性失神が疑われる患者や前失神症状を呈する症例において,7日間の長時間心電図検査を実施することで早期の診断がなされ,ILR植込みが回避できる可能性が示唆された.