心電図
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房室ブロックに関する臨床電気生理学的検討
―特に心房刺激による房室ブロックの発現部位と頻拍依存型発作性房室ブロックならびに第II度房室ブロックのパターンとの関係について―
田嶋 経躬斉藤 淳一荻野 達夫金子 敬子土肥 豊
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1990 年 10 巻 2 号 p. 208-218

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抄録
AHブロック5例, His束内ブロック12例, Hvブロック13例に対して心房ペーシングを施行し, それぞれのブロック部位における最小房室伝導比と房室ブロックのパターンを比較検討した.AH, HVブロック例に比しHis束内ブロック例の房室伝導比は多様1生を示し, 特に頻拍依存型発作性房室ブロックはHis束内のみに4例みられた.この特殊な房室ブロックの症例を呈示し, 発現機序や臨床について考察を加えた.またこの特殊房室ブロックには, 従来いわれてきたMobitzII型房室ブロックに加えて, Wenckebach型房室ブロックも先行しうることが示された.今回の症例の心房ペーシングの成績から, これまで報告されてきた以上に, 一般的にHis束以下のWenckebach型房室ブロックが存在しうる可能性が示された.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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