心電図
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運動負荷テストにおける心電図, 動脈圧波形自動解析システムの開発
―方法論を中心として―
渡辺 俊夫山口 一郎加賀谷 茂宮沢 光瑞
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1990 年 10 巻 2 号 p. 219-225

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抄録
マイクロコンピュータを利用して, 運動負荷テストにおける心電図, 動脈圧波形のオンラインリアルタイム処理システムを開発した.テスト中は, 心電図と上腕動脈圧を連続的にA/D変換し, DMAバッファに格納しつつ, 15秒毎にDMAバッファからデータを取り出し, 1心拍毎の瞬時心拍数, ST偏位, 最大, 最小および平均動脈圧を求め平均化した.これらの各計測値から以下の成績が得られた. (1) 運動負荷時の心拍-血圧応答が, 容易に把握された. (2) HR-STループは, 運動負荷時と回復期の心拍とST下降度関係の把握に, またLorenz plotは, 運動負荷テスト時の不整脈の検出に有用と考えられた. (3) 心電図の重畳波形表示は, STスロープの診断に効果的であった. (4) 実時間分析の精度向上のため自動分析値の再確認操作を行うことで, 精度の高い安価な自動化システムを構築できた.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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