1990 年 10 巻 4 号 p. 425-434
心室性不整脈に対する薬効判定基準は, 既存の判定基準を利用してなされることが一般的であるが, 今回比較的同一の臨床的背景を有する対照群と抗不整脈剤投与群の両者であっても, 単回帰分析により, かなりの自然変動範囲の違いを有することが明らかになった.したがって薬効判定に際しては, やはり観察期に2回以上のホルター心電図を実施し, 対象群の心室性不整脈の自然変動を求めることでより, 正確な判定がなされ得ると考えられた.この方法をβ遮断剤の一つであるcarteololに応用し, 約40%のVPC頻度抑制効果と15%のRVPC抑制効果が観察された.