1990 年 10 巻 4 号 p. 455-462
連発心室期外収縮 (PVC) に対する抗不整脈薬の短期および長期効果を明らかにするために, Holter心電図法を用いて無投薬時に連発PVCを有した心筋症14人, 虚血性心疾患26人, 器質性心疾患を有しない者16人に対して行われた抗不整脈薬治療の効果をretrospectiveに判定した.6ヵ月未満の短期の効果では, 連発PVCをLown grade 4Aと4Bに分けると, 有効率は4B (57.3%) より4A (69.2%) の方が高く, 薬剤抵抗性の者は4Bに多かった.6ヵ月以上の長期の効果として, 投薬後短期に連発PVCのgradeが一旦改善しても長期投与において増悪するものが多く (50%) , 特にIa群薬剤使用時に多くみられた (88%) .連発PVC, 特にgrade 4Bでは抗不整脈薬投与短期に有効と判定されても安易に長期投与することは危険であり, 3~6ヵ月ごとに薬剤の再評価が必要であると思われる.