心電図
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外見上健康成人のメディカルチェックとしての運動負荷心電図所見とその方法について
川久 保清柳堀 朗子青木 和夫郡司 篤晃大城 雅也井上 博杉本 恒明坂本 静男
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1990 年 10 巻 4 号 p. 463-468

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抄録

運動を始める前のメディカルチェックとして, Bruceの第2段階から始めるトレッドミル負荷試験を心疾患の既往のない外見上健康な成人505人 (男性209人, 平均42歳, 女性296人, 平均43歳) に行ない, 運動負荷時の心電図異常出現頻度について検討した.本法にて比較的短時間に (平均男性7.2分, 女性5.7分) , 安全に自覚的亜最大負荷を行なえた.負荷時のST下降は高年齢ほど多くみられ, 男女ともに10.5%の頻度にみられたが, 負荷後のST下降の回復は早かった.負荷時の心室期外収縮のみられる頻度は加齢とともに増加し, 男性の26.2%, 女性の22.5%にみられ, その約1/10が多形性, 連発性であった.上室期外収縮は男性の9.7%, 女性の12.6%にみられた.
従来検討の少ない外見上健康な日本人におけるトレッドミル運動負荷心電図異常の発現頻度について報告した.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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