心電図
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心室期外収縮の時間的発生頻度のリズム計測に基づく評価とその意義
渡辺 雄一郎石井 博之藤巻 信也井尻 裕浅川 哲也小森 貞嘉吉崎 哲世田村 康二
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1991 年 11 巻 3 号 p. 268-278

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抄録

心室期外収縮を有する75名について48時間の連続ホルター心電図記録を行い, 期外収縮の発生数の変動リズムについてCosinor法による解析により以下の結果を得た.1) 期外収縮の発生には73% (55例) に24時間周期のリズムが認められ, 特に心疾患のある群で有意に多かった.2) 明らかな基礎疾患のないものの, 期外収縮の頂点位相 (Acrophase: 発生数のピーク時間) が症例ごとに24時間にわたり分散し, 一定の傾向を示さなかったのに比べて, 虚血性心疾患群の90%信頼域は8時から18時にあり, しかも, この時刻は心拍数の概日リズムの頂点位相にほぼ一致した.3) 期外収縮の頂点位相が日中活動期にあるものは運動負荷で増悪するものが多く, 概日リズムの変動幅 (Amplitude) の日差変動が大きかった.以上の成績から基礎疾患のあるもの (特に虚血性心疾患) では, 期外収縮の発生に自律神経の関与が大きいことが示唆され, 日差変動が大きいことは治療効果の評価の点からも重要であると考えられた.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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