心電図
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心房受攻性の非観血的予測指標について
―電気生理学的検査と加算平均心電図法による対比検討―
笠巻 祐二小沢 友紀雄渡辺 一郎児島 隆介陣野 和彦牧 晴美矢久保 修嗣高橋 義和島田 浩子近藤 一彦花川 和也谷川 直斉藤 穎波多野 道信長沢 正樹
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1991 年 11 巻 3 号 p. 258-267

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抄録

心房受攻性 (AV) の非観血的予測指標として, 加算平均心電図法 (SAECG) によるfiltered Pwave duration (FPD) が有用か否かを電気生理学的検査 (EPS) との対比により検討した.上室性不整脈の精査のためEPSを施行した22例と健常者10例を対象とし, 標準12誘導心電図によるP波の幅 (NFPD) およびSAECGによるFPDを計測した.AVは, 心房早期刺激法にて反復性心房応答あるいは5秒以上持続するAfが誘発されたものと定義した.NFPDはAV陽性群 (N=12) 119.2±15.1ms, AV陰性群 (N=10) 117.0±14.9ms (N.S) であり, FPDはAV陽性群136.9±11.6ms, AV陰性群122±11ms (p<0.005) であった.AVをFPDを用いてスクリーニングする際, band pass filterが100~300Hzでの陽性基準を125ms以上とすると, そのsensitivityは100%, specificityは75%となった.したがって, SAECGによるFPDはAVの非観血的予測指標として有用であると考えられた.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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