心電図
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逆行性ヒス束波の記録されない場合の室房ブロック部位の同定について
遠藤 岳鈴木 文男金沢 芳樹比江嶋 一昌
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1991 年 11 巻 4 号 p. 439-445

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抄録
室房伝導 (VAC) を有さず, 通常の心室期外刺激法で逆行性ヒス束波が記録されない場合の室房ブロック部位の同定について検討した.
心房・心室同時基本刺激の後, 一定の間隔で心房期外刺激のみを加えるペーシング法 (V1A2法) と基本刺激と心房期外刺激の間にさらに心室期外刺激 (V2) を加えるペーシング法 (V1V2A3法, V1V2A3法のV1A3=V1A2法のV1A2とする) とを比較し, V2が心房期外刺激に及ぼす潜在伝導の影響を検討することによって, 室房ブロック部位の同定, 逆行性His-Purkinje系の有効不応期の測定が可能であった.すなわち, V2の有無に関係なく, V1V2A3法でもV1A2法でも, 心房期外刺激の房室伝導時間が同一なら, V2は房室結節に進入していない.つまり, V2はV-H'ブロックであり, 逆に, 房室伝導時間がV1V2A3法において, V1A2法に比べ有意に延長している場合には, V2はH'-A'ブロックであることが診断可能であった.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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