心電図
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III群抗不整脈薬の心室細動予防効果―異なる細動閾値測定法による比較検討―
碓井 雅博
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1992 年 12 巻 3 号 p. 336-350

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抄録
3種類の心室細動閾値測定法を用いてIC群薬のflecainide, III群薬のbretylium, d-sotalol, E-4031の抗細動効果を比較検討した.イヌの健常心において, 50Hz持続電気刺激法による心室細動閾値 (VFT) は, flecainide, d-sotalol, E-4031で上昇したが, 拡張期興奮閾値を上昇し, 伝導時間を延長したflecainideでVFTは著明に上昇した.Proteaseによる局所的出血性壊死心において, flecainideは連続期外刺激法, トレイン刺激法によるVFTをともに上昇させたが, III群薬はVFT測定法により異なる効果を示した.不応期延長の程度が大であったd-sotalolとE-4031で連続期外刺激法によるVFTが上昇し, 抗アドレナリン作用をもつbretylium, β遮断作用をもつd-sotalolでトレイン刺激法によるVFTが上昇した.以上より50Hz持続電気刺激法は興奮性, 伝導性, 不応期の影響を受け, 連続期外刺激法は不応期延長を, トレイン刺激法は交感神経抑制作用, 伝導抑制作用を反映することが示唆された.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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