抄録
ホルター心電図記録を用いた加算平均心電図 (SAE) の信頼性について, Late Potential (LP) に関連したパラメーターを中心にリアルタイム記録法と比較検討した.対象は45例, 記録法は3チャンネルポルター心電図計にてX, Y, Z誘導を記録, simsonらの方法に準じてQRS vector magnitudeを求め, リアルタイム記録も同様に行い, 各々RMS40, QRSD, LAS40を測定した.
結果: (1) 三つのパラメーターすべてでホルター記録とリアルタイム記録間での相関を認めた. (2) リアルタイム記録でのLP (+) 群においては, 両記録間でRMS40に有意な相関を得た. (3) VT (+) 群においても, 両記録間で, RMS40に有意な相関を認めた. (4) RMS40のVTに対するnegative predictive valueは両記録ともに高値であった.
以上よりホルター記録を用いたSAEは信頼性があり, LPの検出を中心に今後臨床的有用性が高いと考えられた.